ブラッシカ・ラパ

堅い仕事とやわらか脳内。

「殺し屋じゃない伊万里はどんなにええんやろう。」-高橋慶太郎『Ordinary±』 

ヨルムンガンド』作者の高橋慶太郎さんが現在サンデーGXで連載中の漫画に『デストロ246』というものがある。

 

「クソ凶暴な女子がメイン」「男はザコしか登場しません」という単行本帯コメント通り男は無双シリーズの雑魚的ぐらいあっさり死んでいく。でも女の子は基本的に死なないので死亡フラグを3本ぐらい立てた子だって暖かい目で見守ることができる。

1話冒頭で只者ではない感を出した透野隆一が死んだ時は思わず二度見した。えっ1話の時とか完全に主人公扱いだったじゃん!

 

そんなデストロ246にも登場する的場伊万里という女子高生殺し屋が主人公な、作者のデビュー作を一冊の単行本にまとめたもの。

 

オーディナリー± (サンデーGXコミックス)

オーディナリー± (サンデーGXコミックス)

 

 

 

 デストロ246の主人公は誰なんだろうという問いには、様々な意見があると思う。

「一番最初に登場した藍と翠だろjk(本命派)」

「いや完全に伊万里中心で話進んでるし(対抗派)」

「一番人間くさい南天では?(大穴派)」

「苺に踏まれたい(ダークホース)」

 

でも一番主人公属性があるのは間違いなく伊万里だ!

 

組織に育てられたのも主人公っぽいし、メイン6人で一番強いと明言されてるし、過去の呪縛に囚われてるのも主人公っぽい!まるで主人公属性のバーゲンセールやでぇ

 

同じ的場伊万里という人物が登場するけど、作者のデビュー作であってデストロのスピンオフではないので、伊万里の性格は少し違っているような気がする。

具体的には伊万里が殺し屋ではなく普通の人間になりたい、と思っている描写が多い。

  • 「 私は…友達なんていう尊いモノ…欲しがってはいけない人間なんだよ。」
  • 「あなた達は''普通''の生き方を手にしていたというのに、」
  • 「姉さん私は…普通の人になりたいよ。」

それともデストロではまだあまり見せていないだけでこれからは伊万里が普通の人間になれるかどうか、を中心に話が進むのかな?

 

違いがもう一つ。けっこう伊万里が子供っぽい。

「ずる休みしよう。」 

かわいい!! ほかにも♪ンチャララキャララチャララララッという謎の鼻歌を歌ったり年相応の子、という感じ。。

デストロでは冷酷無比の殺人マシーンって感じだからこれは意外な点。

 

関係ないけど、デストロを読み進めてたら次第に感覚がマヒしてしまうことを最後に一言だけ叫ばせていただきたい。

 

 

「女子高生殺し屋」ってなんだよ!

なんで全員真面目に高校に通ってんだよ!

 

 

…とりあえずデストロ246を読んでいる方は伊万里を掘り下げる&今後の展開にも関わっていくことになる伊万里の考え方がわかる、という点で必読の一冊かなと思います。。

 

 

ちなみに単行本化に際して「描き下ろしエピローグ16Pを収録!!」って帯には書いてあるけど台詞は「…フゥ。」と「ハァーーア。」のみなのでぶっちゃけいらな