ブラッシカ・ラパ

堅い仕事とやわらか脳内。

「大人は色んなことの結果を知ってしまっているからね。だから臆病になる」-入間人間『やがて君になる 佐伯沙弥香について』感想

やがて君になる。とてもいい漫画ですよね。

 

高校時代にマリみての漫画版を勝手に母親に読まれて、何の悪意もなく

「あんた、女の子同士で恋愛するような漫画が好きなのかい」って言われたけど、お母さんあなたの娘は10年経っても女の子同士で恋愛する漫画が好きです。

 

 

この漫画がアニメ化されるまでは死ねないと思っていたcitrusのアニメが終了し早1年。

次はやがて君になるがアニメになるまでは死ねんぞ…と交通安全に気を使いながら生きること数か月人生たのしい!

 

そんなやが君の外伝ノベライズです。作者はあの「あだしま」の入間人間先生。

主人公は生徒会副会長、佐伯先輩。

 

以下、小説のネタバレを若干含みます。

 

もうね、結末が分かっているのがしんどい。

極論、原作3巻を読んでれば、この小説を1ページも読まなくても結末わかるわけじゃないですか。

中学生編なんて1ページ目の冒頭三行目の「合唱部の先輩だった」の9文字であ、これはあの人…ってわかるわけですよ。

ページをめくる度にあぁ、それ以上そちらへ進んではいけない!ってなり、でも止めることはできなくて、過去の改変が許されない未来人の気分。

 

上級生が先に進学して環境が変わって後輩と疎遠になるというのは、現実でもよくある話といえばそれまでなんだけど、思春期特有の一過性のもんでした、ごめんごめんってのはあまりにひどいや。。

リリアン大学に進学した途端に志摩子さんを放置するようになった某先輩だって、ちゃんと影ながら見守る親ポジションにシフトしてたじゃん!見習いなさいよ!(過激派)

 

本筋については数々の方がすばらしい考察と感想を述べてくれると思うので、個人的に気になった部分を。

 

 

1.小学生にして悟りを開いてる佐伯先輩。

本編でもちょこちょこ先輩の育ちのよさは描写されてたと思うけど、習い事をいっぱいさせて、情操教育にも力を入れればこんなに賢くて良い子になるの…教育ってしゅごい(語彙力)

 

一つ覚えたことが、次の知識への呼び水となる。毎日はその繰り返しになる。 

 アイザック・ニュートンの発言じゃないですよ、5年3組に通う女の子ですよ。

 

ここまで、大人になるのが早ければ、そりゃ毎日おもしろくはないでしょう。

先輩のおばあちゃんの「いい子すぎる」とか「なんて立派な孫だろう」という発言にはそんな孫への寂しさみたいなものも感じますよね。

 

2.本編キャラ登場してテンションあがるやつ。

外伝とかで本編のキャラがちらっと登場するとテンションあがるのってもはや人類共通感情じゃないですか。

 

青果店の隣にある、さほど大きくない個人商店だった。

ふ、藤代書店ー!!

 作家名は確か、林…

れ、錬磨先生ー!!

やや小柄に見えるので、学年は下かもしれない。 

もう、誰のことかは書くまい…。。

 

こういうやつでテンション 上がるのって遡ればシロガネやまのレッドから我々に刻みこまれてる萌え(燃え)じゃないですか。

マーベルシネマティックユニバースじゃないですよ、やが君ですよ。

 

 

おわりに

 

とりあえず、すばらしいノベライズでした。

ノベライズってだいたい本編よりぶっ飛んでて「ノベライズだとそんな爆弾発言が?もはや公式最大手じゃん」ってなるような偏見(好き)があったけど、正当に佐伯沙弥香先輩という人物を掘り下げた小説だと思います。

OVAでもいいから、これもアニメ化して欲しいなぁ…。でもアニメのテロップにちらっと出てるし実は盛り込んでくれたり?と期待しながら7話を待つ現在です。

 

そして、こういう過去があったからこそ、侑と違って一歩燈子に踏み込めない佐伯先輩になってしまったのかしら…と思うといとをかし。また1巻から読み直さなきゃ、ですよ。

 

7巻が発売するまではアニメと小説と霞を食って、交通安全に気をつけながら生きていきます。