「ここまでしても私は茗子を救えない…」-コダマナオコ『不自由セカイ 完全版』
pixivとかで単体の絵を見て、
「あぁーこの瞳の書き方すごい見たことあるぅー…誰だっけー」ってなった後に作者が判明して「二年前に漫画追っかけてたあの人か!」みたいなアハ体験。
誰しもあるあるだと思うんですがね。ないですかね。
という前置きはさておき、そんなアハ体験をしたのがコダマナオコ先生。
艦これの鈴谷と熊野のイラストで「あっ捏造トラップの人か!」ってなったのであった。(完)
そんなコダマ先生の2012年の描き下ろし作品の完全版。
天使のような美少女、 茗子。彼女は高校時代からの先輩、礼央を''奴隷''のように扱っていた。真面目で理知的な礼央が、何故茗子の言いなりになり、茗子の命令には全てを投げ出して応じるのか…。
とある事件が彼女たちの関係を大きく変えてしまったという。主人×奴隷となったふたりの未来は…!?
巻末のあとがきによるとコダマ先生は暗い話を書くと明るい話を書きたくなり、明るい話を書くと暗い話が書きたくなるらしい。
『レンアイマンガ』とかが明るいサイドなら今連載してる『捏造トラップ-NTR-』はけっこうダークサイド…?
話はかなり暗い&ドロドロだけど完全版に限っては、最後に追加されてる描き下ろしエピソードで救済されてるかも。。
「バッドエンドは嫌だ!でもドロドロも読みたい!」という''肉と魚両方食わせろわがまま乗客''みたいな人にもやさしい。そして何よりこの作者は絵がかわいいのでシリアスでもそんなに暗く見えない!(暴言)
ちなみにコミックの表紙をとった部分にも高瀬さんの4コマが載っている。本筋に関係ない、というか途中で出てこなくなる狂言回しのわりにかなり優遇されている。
個人的には同じダークサイドでも『捏造トラップ』の登場人物があまり好きになれないので、こっちのほうが良かった。性格や行動ではなくボタンの掛け違いによって起きてしまった悲劇的な。
わがままな 茗子も憎めないんだよなぁ。
以前の大判コミックスからB6サイズに代わってから、百合姫作品の新装版が手に入りやすくなった&本棚で場所を取らないのでうれしい。。
きゃっきゃうふふの百合漫画に飽きた。新たな境地を開拓したい方におすすめ。
ニコニコ静画で一迅社が配信してるので一部試し読みができる。↓